宝石の歴史は古く、古代から魔よけやお守り、地位や立場を示すシンボルとして世界中で用いられてきました。現在では、宝飾品としても広く親しまれています。
特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」では、各地の博物館や、比類なきアルビオン アート・コレクション、ヴァン
クリーフ&アーペル、ギメルなどの作品から、多種多様な宝石と、それらを使用した豪華絢爛なジュエリーを一堂に集め、 科学的、文化的な切り口からご紹介します。
宝石はカットされた完成品として採掘されるわけではなく、その生い立ちにより様々な形状や大きさで産出します。
第1章では、原石はどのようにして誕生するのか、地球内部でつくられる宝石の元となる原石(ラフ)を科学的視点から紹介します!
迫力ある宝石の前で、写真撮影もできます!
原石から宝石としての特性を最大限に引き出すための成形と研磨の工程をまとめて「カット」と呼びます。「カット」の出来栄えは原石の大きさ、品質に劣らないほどの宝石の評価を左右します。
第2章では、原石の採掘からカットの加工技術までを分かりやすく展示。鉱物がどのような過程を経て美しく輝く宝石になるのか紹介します。
宝石の価値の基準にもなる、【輝き】【煌めき】【彩り】【強さ】といった性質の説明を交えながら、ラフ、ルースをメインに200種を超える宝石を展示します。ダイヤモンドやサファイア、ルビーなどのよく知られた宝石から、フォスフォフィライトやスフェーンなどのレアストーンも多数展示。色彩豊かで様々な表情を見せる宝石が一堂に集まり、宝石の要件の一つである「美しいこと」の要素について科学的に解説します。
ダイヤモンドやルビーには紫外線を当てると光るものがあります。また、宝石としては使われることが限られる蛍石(フローライト)や方解石など紫外線で美しく光る宝石を、区切った小部屋の空間で展示。暗い空間の中で実際に光っている様子を目にすることができます。
フローライト
(日本彩珠宝石研究所所蔵)
個人コレクターの橋本貫志氏による宝飾品コレクション。「指輪」のカテゴリーに特化して、古今東西から貴重な作品を集めたその内容は、世界的に見ても珍しいものです。2012年に国立西洋美術館に寄贈されました。